今回の症例は精密根管治療についてです。
パノラマ(二次元的な平面な画像)で左下の矢印の歯の根っこに大きな病巣ができてるのが確認できます。
患者さんと相談し、精密根管治療を行なっていくこととしました。
精密根管治療の特徴としては、
・画像検索 CT:三次元的な画像撮影を行い、病巣の範囲や根管形態について把握する
・ラバーダム防湿:根管内への唾液流入を防ぎ治療の成功率を上げる
・マイクロスコープ(顕微鏡):目視では確認できない感染歯質や出血を見逃さない
・MTA根充:硬化時の膨張により高い根管の封鎖性を有しています。適度な流動性があるため、側枝まで緊密な充填が可能で操作性にも優れている
が挙げられます。
歯根全体を覆うように黒い影ができているのが確認できます。CTの水平断では、根管が3つに分かれているのも確認できました。
さらに親知らずの存在もあり、親知らずとの間の歯周ポケットからの感染も考え、当院で親知らず抜歯も行いました。
その後、ラバーダム防湿とマイクロスコープ下での根管治療を数回繰り返しました。
マイクロスコープ下↓
根管内の感染歯質が除去でき根管充填の時期となったのでMTAでの充填を行いました。
充填後、2ヶ月でCT撮影を行ったところ黒い病巣があったところが、新しい骨に置き換わり始めていました。
治療前と治療後
このような症例は、精度の高い根管治療と根っこの充填、そして患者さんの継続的な来院によるものです。
根っこの治療で気になることがありましたらご相談ください。
治療期間 |
1~2ヶ月 |
治療費 |
自費診療(詳しくはお問い合わせください) |
治療のリスク |
再根管治療が必要な場合がある |
歯科医師 横江絢子