こんにちは。埼玉志木駅前歯医者・矯正歯科コスモクリニック理事長川村です。
今回は歯医者が思う良い歯医者、信頼のできる歯医者について投稿したいと思います。
世の中の歯医者はコンビニの数より多い言われており、その実態も千差万別です。
結論から申し上げると、良い歯医者、信頼のできる歯医者は以下の通りです。
①その歯科医院を創設した院長が現場にいて、率先して治療を行っているクリニック
②売れている歯科書籍の著者がいるクリニック。その上で大きなスタディグループでの講演歴がある歯科医師が在籍しているクリニック。
では解説します。
①に関して、世の中にはたくさんの歯医者がありますが、2025年現在歯医者は以下の3つのスタイルに分かれていく傾向にあります。
(A)複数の歯科医師が在籍している大きなクリニックで、地域の総合歯科のような歯科医院
(B) 1人の院長と少数のスタッフで構成される小さな歯科医院
(C) 大きな医療法人が何店舗もクリニックを拡大していくスタイルのグループ歯科医院
コスモクリニックの立ち位置は元々(B)から始まり、現在は(A)の段階にきたという感じです。
結論としては(A)のクリニックが一番信頼ができると個人的に思います。
信頼度は
A≧B>Cの順番でしょうか。
前提としてAは医療法人もしくは個人事業主Bは個人事業主Cは医療法人である事が多いです。
見分け方はホームページでドクター情報が見れますが、複数人いるクリニックはほとんどがAか Cです。グループ院情報が載っている、もしくは医療法人名で検索すると1拠点集中のクリニックか多店舗展開法人かがわかります。
因みに当院もホームページに関連クリニックを載せていますが、知り合いの先生をお互いにホームページに載せているだけで、同じ法人ではありません。
歯科の現場で大事な事は、トップが率先して現場でスタッフを引っ張っている事であり、その先生が地域に根付いて生涯そこでやり続ける覚悟を持っている事が一番重要に感じます。これまで自分が作ったクリニックの評判やイメージを崩さないように、治療や患者対応に関しては理事長が求めるレベルを要求されるため、必然的にトップが現場にいるクリニックは全体の底上げが成されます。当然私も”自分が患者だったら”を常に追い求め、歯科医師をはじめとするスタッフには日々厳しく指導しています。
理事長が現場にいないとスタッフは好き放題やってしまい、まとまりもなく、結局理事長が大事にしてきた理念が伝わっていなかったり、滅茶苦茶な治療が繰り広げられる事がよくあります。
(B)が一番よくあるタイプのクリニックですが、よくあるタイプだからこそ、院長の臨床家としてのレベルがとても大事です。
このタイプのクリニックは規模感がスタッフ4.5人くらいが多いので、院長自身がパワーアップし続けないと何年も昔の治療を永遠にやる事になります。そして院長の臨床スタイルによってはとんでもない事になることもあります。複数ドクターがいる当院のようなクリニックは、他のドクターの目もある為、雑な治療はできませんが(急患で担当じゃない患者さんが来られた時に治療のクオリティがすぐにわかるからです)、1人ドクターのクリニックはどんな治療をしようがチェックする人物がいません。院長の意識が低いと、客観的に良くない治療も平気で行われている事が多いです。後述しますが、3ヶ月に一度クリーニングに通っていたのに、虫歯だらけ。なんていう一見信じられない事がよく起きるのも、このタイプのクリニックに多い気がします。勿論しっかりされている先生も多いですが、中には昔ながらのスタイルでずっと仕事をされてる先生も多いので、レントゲンをほとんど撮らないとか、撮っても詳しく診断もせずに患者さんを返してしまい、問題が起きて患者に指摘されてしまう事もあると思います。
現代だと開業するのも凄い大変ですから、その覚悟を持ってクリニックを作った院長の治療はある程度信頼できるかもしれませんが、リニューアルされていない古くて汚いクリニックは治療技術や情報の更新がされていない可能性が高いです。
ネガティブな話から入ってしまいましたが、このタイプのクリニックの中でも、矯正歯科や根幹治療専門の何かに特化したクリニックは素晴らしいと思います。専門性の高いクリニックは患者さんの需要と供給のバランスが保たれている間は、信憑性はとても高くなるでしょう。しかし、素晴らしい治療を提供して、患者満足度も高くなり、紹介患者がどんどん増えると、自分1人では手に負えなくなっていきます。そうすると必然的に治療終了の基準を甘くしていくか、スピード重視で雑に回していくか、視る患者さんを絞って入り口を狭くしていくか、自分以外の歯科医師を雇って結局(A)のパターンに進化するかと言う選択肢になっていきます。
コスモクリニックももちろん、最初は(B)のパターンで私1人で開院しましたが、結局患者さんが増えてきて、自分1人ではクオリティーを維持しながら治療するのが難しくなってしまうと感じ、自分が育った横浜のクリニックで同じカリキュラムをこなしてきた現在副院長先生をお呼びし、段々と歯科医師の数が増えたという歴史があります。
(C)の実態はその法人を創設した理事長は主に経営に回り、雇われた院長がそのクリニックのトップに立っています。
こちらの経営体制は個人的に問題視していて、当院のように理事長自ら育てた歯科医師ではなく、ほとんどが高い給与形態を提示して雇った歯科医師です。
法人の成長と共に、分院を開業してまた雇われ院長を雇うというサイクルで拡大しており、同業者的には悲惨な治療をしているイメージが強い印象です。現に、当院には年間数十人もの歯科医師の先生が見学に来きますが、大手医療法人に勤められている若手の先生も数多くいます。症例相談をさせてくださいと言われ相談にのった内容に驚愕したことも多々ありますが、みんな言うのは院長に詳しい歯科の質問を聞いてもよくわからないと言われるということでした。つまり理事長自身が育てた分院長ではなく、お金で雇った雇われ院長のレベルが低いと、そこに勤めている他の歯科医師のレベルも当然のように低くなります。
一方で、大手医療法人は資金に余裕があるところも多いため、多額の広告費をかけてたくさんの患者さんを集患し、悲惨な治療を提供していることとなります。
では、なぜ大きな医療法人はどんどん歯科医院を増やしていくかと言うと、税金対策になるからです。
歯医者を経営して、売上が上がると、税金で持っていかれるお金がどんどん増えます。そこで新たに分院を開業すると、今の時代ですから、1億円くらいの赤字ができるので、無駄な税金を払う事は少なくなります。借金は増えますが、売上はあがる見込みができるので、最近では多店舗展開のクリニックがかなり増えています。しかし、ここに落とし穴があります。その年は赤字決算になり、税金を支払わなくては良いとしても、借金自体はどんどん膨れ上がっていきますので、この人材難の時代、安定したリクルートができなかったり、まともじゃない人材が入ってきたときのトラブル対応によって、核の人物たちも疲弊し離職が相次ぎます。そうするとさらなるヘルプが必要になり、余計な資金も必要になりもっと大変な事になります。更に雇われ院長の歯科医師が辞めてしまうと管理者不在になりクリニックの運営ができなくなり、さらに歯車が乱れ、資金繰りが厳しくなり、倒産への道標が出来上がってしまいます。
最近は歯科の倒産件数が著しく増えており、驚くことに何店舗も抱えている大型医療法人の倒産件数が最も多いのです。
このようなクリニックだと売上のノルマがあったり、削らなくて良いエナメル質内の虫歯もセラミックの詰め物にしましょうというマニュアルがあるので、治療の質が下がる傾向にあります。
『全国何院展開!』
『全国に沢山あるのでどこの医院でも保証が受けられます!』
『店舗が沢山あって材料費を抑えられるので価格も安くできます!』
みたいな謳い文句はかなり怪しいクリニックなので気をつけた方が良いです。
次に②についてです。
簡単に言うと同業者から評価の高い先生は安心できると思います。
治療が上手だと同業者から認められ歯科書籍の執筆のオファーが来ますし、様々な所で講演依頼も来ます。
恐らくここがホームページを見てもよくわからない所だと思います。
経歴を見た時に、凄い経歴になっている先生が多いですが、ほとんどがただの実習に参加したら貰えるサーティフィケイト(修了証)だったりします。
重要な点は書籍を執筆しているならその本の著書を調べて、1人著者だったら信頼度はかなり高く、共同著者だったら何ページ分の箇所を任せられているかをチェックできれば尚良いです。
ここで大事なのが、どんな出版社から出しているかです。デンタルダイヤモンドやインターアクションさんなど、歯科書籍に力を入れているところの出版社であれば、信憑性はすごい高まりますが、営業の電話で自費出版 (お金を払えば自分の名前で本をかいてくれる)の電話もありますので、歯科書籍の出版社から本を出しているのが重要です。
そして講演をしている、という内容ですが、講演内容も様々です。
SJCDや5Dなどのスタディーグループに所属し、発表経験もあったりすると、信憑性はかなり高いと思います。そもそも歯科のスタディーグループの入会費やコースの受講は非常に高く、例えば私がSJCDで当時習ったコースは年間1,600,000円もします。そんな金額を払ってでも質の高い治療を学びたいと言う志の先生は、信頼できる確率が高いでしょう。
しかし、今の時代ですので、スタディーグループに入会するのは高くて入れないけど、手先が器用な若手の先生もいたりします。そういった先生はInstagramなどで症例を投稿し、フォロワーも多いので、Instagramのフォロワーの多さや(美容歯科のやけに多いフォロワーは、お金でフォロワーを買っているので、全くあてになりません。)症例の多さなども指標の一つです。Instagramの症例ページを見たときに、ラバーダムを定期的に使っている先生はより治療に細かなこだわりを持っている先生が多いように感じています。ただこちらも患者さんサイドだと治療のクオリティーはわからないと思いますから、結局Instagramで目立っている先生は、何かしらのセミナーで講師として活躍していたりします。
セミナーの種類も
・大きなスタディーグループ(SJCD、5D、JIADSなど)
・インターネットの歯科サイト(ホワイトクロス、ドクターブックアカデミー、1Dなど)
と様々ですので、上から順に信憑性が高いと思います。
よくあるのは医療法人内セミナーで講師感出しているは身内でやってるだけなので、あまり参考にはなりません。
では次に診療したい科ごとの信頼できる歯医者選びについて記します。