根管治療の成功率を高める3つの要因とマイクロスコープの役割

「神経を取った歯なのに、また痛みが出てきた」という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。根管治療は、歯を残すための最後の砦となる重要な治療ですが、実は再治療が必要になるケースも少なくありません。この記事では、根管治療の成功率を左右する要因と、精密な治療を可能にするマイクロスコープの重要性について、歯科医師の視点から詳しく解説します。 根管治療が必要になる理由と治療の目的 根管治療とは、歯の内部にある「歯髄」という組織を取り除き、根管内を清掃・消毒してから緊密に封鎖する治療です。一般的には「神経を取る治療」として知られていますが、実際には神経だけでなく血管やリンパ管なども含まれる歯髄組織全体を除去します。 根管治療が必要になるケース 根管治療が必要になる主な原因は、虫歯の進行です。虫歯菌が歯の表面のエナメル質を溶かし、その下の象牙質に到達すると、細菌や細菌が産生する毒素が象牙細管という微細な管を通って歯髄に達します。歯髄には豊富な神経と血管が分布しているため、細菌感染が起こると強い痛みを伴う「歯髄炎」という状態になります。 歯髄炎が進行すると、歯髄は壊死し、さらに細菌は根管を通って歯の根の先端まで到達します。その結果、歯の根の周囲の骨に「根尖性歯周炎」という炎症が起こり、腫れや痛み、膿が出るなどの症状が現れます。また、外傷で歯が折れたり、歯に亀裂が入ったりした場合にも、歯髄が感染して根管治療が必要になることがあります。 根管治療の最終的な目標 根管治療の目的は、単に痛みを取り除くことだけではありません。最も重要な目標は、根管内から細菌を徹底的に除去し、再び細菌が侵入しないように完全に封鎖することで、歯の根の周囲の組織を健康な状態に回復させることです。 健康な歯の根の周囲には、「歯根膜」という薄い組織があり、これが歯と骨をつなぐクッションの役割を果たしています。根管治療が成功すると、根の先端の炎症が治まり、この歯根膜が正常に機能するようになります。その結果、歯を長期的に保存することが可能になるのです。 根管治療の成功率を左右する3つの重要な要因 根管治療の成功率は、実はさまざまな要因によって大きく変わります。ここでは特に重要な3つの要因について解説します。 要因1:根管の複雑な解剖学的構造への対応 歯の根管は、教科書に載っているような単純な形をしていません。実際には、主根管から枝分かれした「側枝」や、根の先端で複雑に分岐した「根尖分岐」、隣接する根管同士をつなぐ「根管峡部」など、非常に複雑な三次元構造を持っています。 例えば、上顎の大臼歯には通常3〜4本の根があり、それぞれに根管が存在します。しかし、1本の根に2本の根管が存在することもあり、これを見逃すと治療が不完全になります。下顎の前歯は根管が1本と思われがちですが、実際には2本の根管が存在することが40%以上の確率で報告されています。 これらの複雑な構造を肉眼だけで確認することは非常に困難です。見逃された根管や清掃が不十分な部分に細菌が残ると、治療後も感染が持続し、再び症状が出現する原因となります。そのため、根管の解剖学的構造を正確に把握し、すべての根管を確実に治療することが成功の鍵となります。 要因2:根管内の徹底的な清掃と消毒 根管内には、壊死した歯髄組織や細菌、細菌が作り出すバイオフィルムなどが存在します。バイオフィルムとは、細菌が自ら産生する多糖体に覆われて形成する膜状の構造で、薬剤に対する抵抗性が非常に高いという特徴があります。 根管治療では、ファイルという針のような器具を使って根管の壁を削り、形を整えながら感染物質を除去します。しかし、根管の形は円形ではなく楕円形や扁平な形をしていることが多く、ファイルが接触しない部分が残ります。このような部分には、次亜塩素酸ナトリウムという強力な消毒薬を使用します。 次亜塩素酸ナトリウムは、タンパク質を分解する作用と強い殺菌作用を持ち、壊死した歯髄組織を溶解しながら細菌を死滅させます。ただし、単に薬液を入れるだけでは不十分で、超音波やレーザーを用いて薬液を根管内に循環させることで、より効果的な消毒が可能になります。また、根管の長さを正確に測定し、根の先端まで適切に清掃することも重要です。長さの測定が不正確だと、清掃不足や根の先端を傷つけるリスクが生じます。 要因3:根管充填の緊密性と歯の補強 根管内を清掃・消毒した後は、「根管充填」という処置で根管内を緊密に封鎖します。この段階で隙間が残ると、唾液中の細菌が根管内に再侵入し、再感染を起こす原因となります。 根管充填には、一般的に「ガッタパーチャ」というゴム状の材料と、シーラーという糊状の材料を組み合わせて使用します。ガッタパーチャを根管の形に合わせて緊密に詰めることで、細菌の侵入経路を遮断します。最近では、加熱したガッタパーチャを流し込む「垂直加圧根管充填法」という技術が用いられることが多く、この方法により側枝などの細かい構造まで封鎖できるようになりました。 また、根管治療後の歯は、歯髄を失うことで栄養供給が途絶え、もろくなります。特に大きな虫歯の治療後は、残っている歯質が薄くなっているため、噛む力で歯が割れてしまうリスクが高まります。歯が縦に割れる「歯根破折」が起こると、多くの場合抜歯が必要になります。そのため、根管治療後は被せ物で歯全体を覆い、補強することが推奨されます。 マイクロスコープが可能にする精密根管治療 従来の根管治療は、歯科医師の経験と手の感覚に頼る部分が大きく、根管内を直接見ることができませんでした。しかし、マイクロスコープの導入により、根管治療は大きく進化しました。 マイクロスコープとは マイクロスコープは、歯科用の手術用顕微鏡で、治療部位を3〜20倍程度に拡大して観察できる機器です。強力な照明装置も備えているため、暗い根管内部も明るく照らし出すことができます。 肉眼で見える範囲には限界があります。人間の目の分解能は約0.2mm程度とされていますが、根管の側枝や亀裂などは0.1mm以下の大きさであることも珍しくありません。マイクロスコープを使用することで、肉眼では見えない微細な構造を確認しながら治療を進めることが可能になります。 マイクロスコープによる治療精度の向上 マイクロスコープを使用することで、いくつかの重要な利点が得られます。まず、根管の入り口を正確に見つけることができます。特に石灰化によって根管の入り口が狭くなっている場合や、見落とされやすい第4根管などを発見する確率が高まります。 また、根管内に残存する古い充填材や、折れて残っているファイルの破片なども拡大視野下で確認できるため、これらを安全に除去することが可能になります。再治療が必要なケースでは、このような残存物の除去が治療の成否を分けることもあります。 さらに、歯の亀裂や穿孔(根管の壁に開いた穴)などのトラブルも早期に発見でき、適切な処置を行うことができます。これらの問題を見逃すと、治療後も症状が改善しないばかりか、状態が悪化して抜歯に至ることもあります。 治療時間と成功率の関係 マイクロスコープを使用した精密な根管治療では、1本の歯の治療に1〜2時間程度かかることも珍しくありません。これは、肉眼での治療と比べると長い時間です。しかし、この時間をかけて丁寧に治療することで、再治療のリスクを大幅に減らすことができます。 研究によると、マイクロスコープを使用した根管治療の成功率は90%以上と報告されており、肉眼での治療と比較して明らかに高い成功率を示しています。特に複雑な解剖学的構造を持つ歯や、再治療のケースでは、その差はさらに顕著になります。 当院ではマイクロスコープを完備しており、できる限り歯を残すための精密な根管治療を提供しています。一度の治療で確実に治すことを目指し、再発のリスクを最小限に抑える取り組みを行っています。 根管治療後の歯を長持ちさせるために 根管治療が成功した後も、その歯を長く使い続けるためには注意が必要です。 適切な被せ物による保護 根管治療後の歯は、前述のように栄養供給が途絶えてもろくなっています。そのため、治療後は速やかに被せ物で保護することが重要です。仮の詰め物のまま長期間放置すると、歯が割れたり、再び細菌感染を起こしたりするリスクが高まります。 被せ物の種類にもよりますが、金属やセラミックで歯全体を覆う「クラウン」という形態が、歯を補強する効果が最も高いとされています。特に奥歯など、強い噛む力がかかる部分では、クラウンによる補強が推奨されます。 定期検診による早期発見 根管治療が成功しても、将来的に再び問題が生じる可能性はゼロではありません。被せ物の適合が悪くなって隙間から細菌が侵入したり、歯根に新たな亀裂が生じたりすることがあります。 定期検診では、レントゲン写真で根の先端の状態を確認し、異常な影が出ていないかをチェックします。また、噛んだときの違和感や、歯茎の腫れなどの症状がないかも確認します。問題を早期に発見できれば、再治療による対処が可能ですが、発見が遅れると抜歯が必要になることもあります。 他の歯への影響を防ぐ 根管治療が必要になる最大の原因は虫歯です。つまり、虫歯を予防することが、根管治療が必要な歯を増やさないための最善の方法です。毎日の適切なブラッシングとフロスの使用に加えて、定期的な歯科検診でのクリーニングと、必要に応じたフッ素塗布などの予防処置が重要です。 また、一度根管治療を行った歯の隣の歯は、虫歯のリスクが高い傾向があります。これは、治療済みの歯と隣の歯の間に食べ物が詰まりやすくなったり、清掃が不十分になったりするためです。特にこれらの部分は念入りにケアする必要があります。 当院では予防歯科を軸に考えており、治療だけでなく再発防止にも力を入れています。一度治療した歯が再び悪くなることのないよう、患者さん一人ひとりに合わせた予防プログラムを提案しています。 よくある質問 Q.根管治療は何回くらい通院が必要ですか? 根管治療の通院回数は、歯の状態や根管の数によって異なります。初めての根管治療で感染が軽度の場合は2〜3回で終わることもありますが、感染が重度の場合や再治療のケースでは5〜6回以上かかることもあります。根管内の細菌を確実に除去するためには、複数回に分けて消毒を繰り返す必要があるためです。 各回の治療では、根管内を清掃・消毒した後に仮の蓋をして、次回までに根管内が無菌に近い状態になるのを待ちます。痛みや腫れが強い場合は、それらの症状が落ち着くまで治療を進められないこともあります。 Q.根管治療中に痛みが出ることはありますか? 治療中は麻酔をするため、ほとんどの場合痛みを感じることはありません。ただし、炎症が非常に強い急性期には、麻酔が効きにくいことがあります。 また、治療後に麻酔が切れてから、鈍い痛みや違和感が2〜3日続くことがあります。これは、治療によって根の周囲の組織が刺激されたためで、通常は痛み止めでコントロール可能です。もし激しい痛みが続く場合は、再度受診していただく必要があります。治療中に根の先端から薬液や器具が飛び出してしまったり、感染が広がったりした場合には、一時的に症状が悪化することもあるためです。 Q.神経を取った歯でも虫歯になりますか? はい、神経を取った歯でも虫歯にはなります。根管治療で除去するのは歯の内部の歯髄組織であり、歯そのものは残っています。虫歯は歯の表面から進行するため、神経の有無に関わらず発生します。むしろ、神経を取った歯は痛みを感じないため、虫歯が進行しても気づきにくいという問題があります。被せ物の縁から虫歯が進行し、気づいたときには歯の根元まで虫歯が広がっているケースも少なくありません。 そのため、根管治療後の歯こそ、定期的な検診と丁寧なケアが重要になります。 Q.根管治療をしても治らない場合はどうなりますか? 通常の根管治療で症状が改善しない場合、いくつかの選択肢があります。一つは「外科的歯内療法」と呼ばれる方法で、歯茎を切開して根の先端を直接処置する「歯根端切除術」があります。 この方法では、根の先端の感染部位を外科的に除去し、根管を根の先端側から封鎖します。もう一つは「意図的再植術」という方法で、一度歯を抜いて口の外で根の先端を処置してから元の位置に戻す治療法です。これらの方法でも改善しない場合や、歯根破折が起きている場合には、残念ながら抜歯が必要になります。抜歯後は、インプラント、ブリッジ、入れ歯などで失った歯の機能を回復させます。 Q.マイクロスコープを使った治療は費用が高いのでしょうか? マイクロスコープを使用した根管治療の費用は、保険診療の場合は通常の根管治療と同じ料金で受けられます。 ただし、より精密な治療を希望される場合には、自費診療での根管治療という選択肢もあります。自費診療では、より多くの時間をかけて丁寧に治療を行うことができ、使用する材料や器具も制限がないため、最高水準の治療を提供できます。費用は歯の種類や難易度によって異なりますが、一般的に5万円〜15万円程度が相場です。一見高額に感じるかもしれませんが、再治療のリスクを大幅に減らし、歯を長期的に保存できることを考えると、結果的には費用対効果の高い選択といえます。

2025.12.08

インプラント治療の成功率を左右する骨質と骨量の関係

インプラント治療を検討されている方の中には、「自分の骨の状態で治療が可能なのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。実は、インプラント治療の成功には、顎の骨の「質」と「量」が大きく関わっています。この記事では、骨の状態がインプラント治療にどのような影響を与えるのか、そして骨が不足している場合の対処法について、歯科医師の視点から詳しく解説します。 インプラント治療に必要な骨の条件とは インプラント治療とは、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。この治療が成功するためには、インプラント体をしっかりと支えられる骨が必要になります。 骨量の重要性 インプラント体を埋め込むためには、十分な骨の高さと幅が必要です。一般的に、インプラント体の直径は3.5〜5mm程度、長さは8〜13mm程度が標準的なサイズとなります。インプラント体の周囲には最低でも1〜2mm程度の骨が必要とされているため、埋入部位には最低でも幅6〜7mm以上、高さ10mm以上の骨があることが望ましいとされています。 骨の量が不足していると、インプラント体が骨から露出してしまったり、十分な安定性が得られなかったりする可能性があります。特に上顎の奥歯の部分は、上顎洞という空洞があるため骨の高さが不足しやすく、下顎の奥歯の部分では下顎神経が走行しているため、これらの解剖学的構造を避けながら埋入する必要があります。 骨質の分類と治療への影響 骨の量だけでなく、骨の質も治療の成否に大きく影響します。骨質は一般的に4つのタイプに分類されます。タイプ1は非常に硬い緻密な骨で、主に下顎の前歯部に見られます。タイプ2は適度な硬さの骨で、インプラント治療に最も適した骨質とされています。タイプ3はやや軟らかい骨で、上顎の前歯部や下顎の奥歯部に多く見られます。タイプ4は非常に軟らかい海綿状の骨で、上顎の奥歯部に多く、インプラントの初期固定が得にくい骨質です。 骨質が硬すぎる場合、ドリルで穴を開ける際に発生する摩擦熱が骨にダメージを与えるリスクがあります。一方、骨質が軟らかすぎる場合は、インプラント体を埋入しても初期の安定性が得られず、治癒期間中にインプラント体が動いてしまい、骨と結合しない可能性が高くなります。そのため、骨質に応じて埋入方法や治癒期間を調整する必要があります。 骨が不足する原因とその進行メカニズム 顎の骨が不足してしまう原因には、いくつかの要因があります。これらを理解することで、予防や早期対応が可能になります。 歯を失った後の骨吸収 歯を失うと、その部分の骨は徐々に痩せていきます。これは「廃用性萎縮」と呼ばれる現象で、歯根を通じて骨に伝わっていた咬合力という刺激がなくなることで起こります。人間の体は、使われない組織を維持するためのエネルギーを無駄と判断し、不要な部分を減らしていく性質があります。 歯を失ってからの骨吸収は、特に最初の1年間で急速に進行します。研究によると、抜歯後1年間で骨の幅は約40〜60%減少し、高さも約2〜4mm減少すると報告されています。その後も年間0.5〜1mm程度のペースで骨吸収が続くため、歯を失った期間が長いほど骨の量は減少していきます。 歯周病による骨破壊 歯周病は、歯を支える骨を破壊する疾患です。歯周病菌が産生する毒素や、それに対する体の免疫反応によって、歯の周囲の骨が溶かされていきます。特に重度の歯周病では、歯根の長さの半分以上の骨が失われることもあります。 歯周病による骨吸収は、単に骨の量が減るだけでなく、骨の質も低下させます。慢性的な炎症によって骨の代謝バランスが崩れ、骨の再生能力が低下するためです。そのため、歯周病の既往がある方では、インプラント治療前に歯周病の治療を完了し、口腔内の環境を整えることが非常に重要になります。 入れ歯による骨への影響 入れ歯を長期間使用していると、入れ歯が当たる部分の骨が徐々に吸収されていきます。特に総入れ歯の場合、入れ歯の下の骨全体に圧力が加わるため、骨吸収が進行しやすくなります。また、合わない入れ歯を使い続けることで、特定の部分に過度な力が集中し、その部分の骨吸収が加速することもあります。 このような状態が長く続くと、顎の骨が平坦になり、入れ歯を安定させることも困難になります。さらに、インプラント治療を行う際にも十分な骨が残っていないという問題が生じます。 骨量不足への対処法と骨造成治療 骨の量や質が不足している場合でも、適切な治療を行うことでインプラント治療が可能になるケースは多くあります。 サイナスリフト・ソケットリフト 上顎の奥歯の部分では、上顎洞という鼻とつながった空洞があるため、骨の高さが不足しやすい傾向があります。このような場合に行われるのが、サイナスリフトやソケットリフトと呼ばれる治療法です。 サイナスリフトは、上顎洞の底部を押し上げ、できたスペースに骨補填材を充填する方法です。骨の高さが5mm未満の場合に適用されることが多く、側面から開窓して行うため「ラテラルアプローチ」とも呼ばれます。一方、ソケットリフトは、インプラントを埋入する穴から上顎洞底を押し上げる方法で、骨の高さが5mm以上ある場合に選択されます。この方法は「クレスタルアプローチ」とも呼ばれ、比較的侵襲が少ない術式です。 これらの治療により、骨の高さが不足している部位でも安全にインプラント治療を行うことができます。ただし、骨造成後は骨が成熟するまで4〜6ヶ月程度の治癒期間が必要になります。 GBR法(骨誘導再生法) 骨の幅が不足している場合や、抜歯後に骨が大きく吸収してしまった場合には、GBR法という治療が有効です。この方法では、骨を作りたい部分に骨補填材を置き、その上を特殊な膜で覆います。この膜は、骨の細胞は通すけれども歯茎の細胞は通さないという選択的な性質を持っており、骨の再生を妨げる歯茎の細胞の侵入を防ぎます。 GBR法では、人工骨や自家骨(患者さん自身の骨)を骨補填材として使用します。自家骨は生体親和性が高く骨の再生が早いという利点がありますが、採取するための追加の手術が必要になります。人工骨は追加の手術が不要で、感染のリスクも低いという利点があります。近年では、これらを混合して使用することで、それぞれの利点を活かした治療が行われています。 歯科用CTによる精密な診断の重要性 骨造成治療の成功には、術前の正確な診断が欠かせません。従来のレントゲン写真は平面的な画像しか得られないため、骨の立体的な形態や質を正確に把握することができませんでした。しかし、歯科用CTを使用することで、骨の高さ、幅、質を三次元的に評価することが可能になります。 歯科用CTでは、骨密度を数値化して評価できるため、前述した骨質の分類を客観的に行うことができます。また、重要な神経や血管の位置を正確に把握できるため、より安全な治療計画を立てることができます。当院では歯科用CTを完備しており、精密な診断に基づいた治療を提供しています。 インプラント治療後の骨を維持するために インプラント治療が成功した後も、その状態を長く維持するためには適切なケアが必要です。 定期的なメンテナンスの重要性 インプラント周囲炎という疾患をご存知でしょうか。これは、インプラントの周囲に細菌感染が起こり、周囲の骨が破壊される病態です。天然歯の歯周病と同様に、プラーク(歯垢)中の細菌が原因となりますが、インプラントには歯根膜という天然歯を守る組織がないため、一度感染が起こると進行が早いという特徴があります。 インプラント周囲炎を予防するには、毎日の適切なブラッシングに加えて、歯科医院での定期的なメンテナンスが不可欠です。一般的には3〜6ヶ月に1回程度の頻度で、専門的なクリーニングとチェックを受けることが推奨されます。メンテナンス時には、インプラント周囲の炎症の有無、プラークの付着状態、噛み合わせの状態などを確認し、問題があれば早期に対処します。 全身の健康管理とインプラントの関係 骨の健康は、全身の健康状態と密接に関係しています。特に注意が必要なのは、骨粗鬆症の治療薬であるビスフォスフォネート製剤を服用している方です。この薬剤は骨吸収を抑制する効果がありますが、外科処置後の骨の治癒を妨げる可能性があります。インプラント治療を検討している方で、骨粗鬆症の治療を受けている場合は、必ず担当の歯科医師に相談してください。 また、糖尿病がコントロールされていない状態では、傷の治りが遅くなり、感染のリスクも高くなります。HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という血糖値の指標が7%以下にコントロールされていることが、インプラント治療の望ましい条件とされています。 喫煙も骨の治癒に悪影響を与えます。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させるため、骨への血流が減少し、治癒が遅れます。研究によると、喫煙者は非喫煙者と比較してインプラントの失敗率が約2倍高いと報告されています。インプラント治療を成功させ、長く維持するためには、禁煙することが強く推奨されます。 よくある質問 Q.骨が足りないと言われたらインプラント治療は諦めるしかないのでしょうか? 骨が不足している場合でも、骨造成治療を行うことでインプラント治療が可能になるケースは多くあります。サイナスリフトやGBR法などの技術により、骨の量や質を改善することができます。ただし、骨造成を行う場合は治療期間が長くなり、費用も増加します。歯科用CTなどで精密な検査を行い、個々の状態に応じた最適な治療計画を立てることが重要です。まずは専門的な診断を受けることをお勧めします。 Q.インプラント治療後、骨はどのくらいの期間で安定しますか? インプラント体と骨が結合する「オッセオインテグレーション」という過程には、一般的に下顎で2〜3ヶ月、上顎で3〜6ヶ月程度かかります。上顎の方が期間が長いのは、下顎に比べて骨質が軟らかいためです。また、骨造成を同時に行った場合は、さらに数ヶ月の治癒期間が必要になります。この期間中は、インプラント部位に過度な力がかからないように注意する必要があり、仮歯を使用する場合でも、硬いものを噛むことは避けるべきです。 Q.歯周病の治療歴があってもインプラント治療はできますか? 歯周病の治療歴があっても、現在の口腔内の状態が良好であればインプラント治療は可能です。ただし、歯周病が完全にコントロールされていることが前提条件となります。活動性の歯周病が残っている状態でインプラント治療を行うと、インプラント周囲炎のリスクが非常に高くなるためです。当院では、インプラント治療前に必ず歯周病の検査と治療を行い、口腔内環境を整えてから治療を進めます。予防歯科を重視した当院の方針として、治療後も再発防止のための定期的なメンテナンスをお勧めしています。 Q.骨を増やす治療は痛みや腫れが強いのでしょうか? 骨造成治療は外科処置を伴うため、術後に腫れや痛みが生じることがあります。特にサイナスリフトのような大きな骨造成では、術後2〜3日間は腫れが強く出ることが多いです。ただし、痛みについては適切な鎮痛剤の使用により、ほとんどの場合コントロール可能です。また、近年では低侵襲な術式の開発により、以前と比較して術後の不快症状は軽減されています。術前にしっかりと説明を受け、術後の注意事項を守ることで、快適に治癒期間を過ごすことができます。 Q.骨の状態を維持するために日常生活で気をつけることはありますか? 骨の健康を維持するためには、バランスの取れた食事が重要です。特にカルシウム、ビタミンD、タンパク質は骨の形成に必要な栄養素です。また、適度な運動も骨の代謝を活性化させます。喫煙は骨の血流を悪化させるため、禁煙することが望ましいです。さらに、残っている天然歯を大切にすることも重要です。虫歯や歯周病を予防し、できるだけ多くの歯を残すことで、顎の骨への刺激が維持され、骨吸収を防ぐことができます。そのためには、毎日の適切なブラッシングと、定期的な歯科検診が欠かせません。

2025.12.02

より効果的に歯垢を取るための補助的清掃用具

補助的清掃用具について 歯ブラシだけでは、お口の中全体の約60%程度しか汚れが落とせていないことをご存知ですか?歯と歯の間や、歯と歯茎の境目など、歯ブラシでは届きにくい箇所にプラーク(歯垢)が残ってしまいやすいです。 より効果的なプラーク除去のためには、歯ブラシと併用してデンタルフロスや歯間ブラシを使用すると、歯間部のプラーク除去率を約80~95%に向上させることができます。ただし、デンタルフロスや歯間ブラシは、誤った使い方をしてしまうと歯や歯茎を傷つけてしまう恐れがありますので、正しい方法で使用することが大切です! デンタルフロスについて フロスの中にも何個か種類があり、柄がついているものや指に巻いて行うものがあります。「デンタルフロスを使ったことがない!」という方には最初から指巻き法でやっていただくのは少し難易度が高いので、柄がついているものを使用していただくと良いです!そして、最初は前歯のみからでも良いので適切にフロスができるようにしましょう。 「指巻き法が上手くできない…」という方には歯科衛生士がお話させていただくので、いつでもご相談ください! デンタルフロスの正しい使い方 歯間ブラシについて 歯間ブラシは歯と歯の間や歯と歯茎の境目に付着しているプラークや食べかすを除去するのに効果的です。>強い力で無理やり歯と歯の間に挿入してしまうと歯茎を傷つけてしまう恐れがありますので、正しいやり方を習得しましょう! 歯間ブラシの太さにも種類がありますので、ご自身の歯と歯の間に合った歯間ブラシを選択することが大切です。出血が多い方には、歯間ブラシと歯間用ジェルの使用を推奨しております。 この歯間ジェルには、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)という殺菌成分が配合されているので、歯周ポケット内のバイオフィルム(細菌のかたまり)を殺菌してくれる効果があります。また、唾液に反応するとさらさら状態のジェルがゲル化し、薬効成分が長く留まります。歯肉炎・歯周病に罹患している、出血が多い方におすすめしております。気になった方は、埼玉駅前歯医者・矯正歯科コスモクリニック本院にお声掛けください! 安達

2025.11.12

歯が生え変わる時期に気を付けなければならないこととは

歯の豆知識シリーズVol.7 良く噛んで食べる食事を 歯並びに大きな影響を及ぼすのがあごの発達で、それに必要なのが噛む力です😄。しっかりと噛んで食べられるような食事を考えましょう。歯ごたえのある野菜をスティック状にして食べさせてあげるといいでしょう🥕 乳歯がきれいに抜けたかをチェック 乳歯が折れてしまったり、歯肉の中に残ったままでも、永久歯が生えてくると自然に押し出されるのですが、まれにその乳歯が化膿してしまう場合もあります🦠。そのため、乳歯が抜けた後の様子はしっかりチェックしておき、永久歯が生えてきた時に、問題が発生していないかも確認しましょう。 生えたての永久歯はしっかりケア 永久歯が生えたての頃は、大人の歯よりも酸に弱いので、どうしても虫歯になりやすいのです。また、完全に永久歯が出てきていない生え変わりの時には、歯肉炎が起こる場合もあります。永久歯と歯肉の間に食べカスが詰まらないよう注意しながら歯ブラシやデンタルフロスを使ってしっかりと汚れを取り除いてあげましょう。特に、生えてから最初の2年は徹底的にケアする必要があります🧑‍⚕️ 齊藤

2025.10.10

歯科医院おすすめの歯磨き粉|目的別に選ぶ虫歯・歯周病予防

みなさんはどちらの歯磨き粉を使っていますか? 日本で販売されている歯磨き粉の種類には、下記のようなものがあります。 虫歯予防 歯周病予防 知覚過敏予防 美白効果 口臭予防 それぞれ特徴があるのでお話していきます。 虫歯予防の歯磨き粉 まず虫歯予防の歯磨き粉には薬用成分としてフッ素が配合されており、日本で販売できるフッ化物濃度の最大が1450ppmです。歯磨き粉のほとんどに高濃度フッ素か配合されています。フッ素は、最も重要な虫歯予防成分です。フッ素が歯に作用することで、歯のエナメル質を強化し、再石灰化を促進します。ですので、1450ppm配合と表示されている歯磨き粉を選ぶようにしましょう。 たくさんうがいをしてしまうとせっかく歯に作用したフッ素が流れ出てしまうので、うがいは1.2回にしましょう。 当院で販売している虫歯予防の歯磨き粉 これらはすべて、1450ppm配合されています。 歯周病予防の歯磨き粉 歯周病予防の薬効成分として、CPC(塩化セチルピリジニウム)、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)、ビタミンE、トラネキサム酸などがあります。 CPCやIPMPは殺菌成分なので、細菌に対して殺菌作用があります。 当院で販売している歯周病予防の歯磨き粉 知覚過敏予防の歯磨き粉 冷たい飲み物や甘い食べ物で歯がしみる症状に悩まされている場合、知覚過敏予防用の歯磨き粉を選ぶのが効果的です。硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが知覚過敏の予防に効果的な成分です。硝酸カリウムは、歯の神経に伝わる外部からの刺激を抑え、乳酸アルミニウムは神経を保護する作用を持っています。これらの成分の歯磨き粉を長期的に使用することで、痛みの軽減が期待できます。 当院で販売している知覚過敏予防の歯磨き粉 美白効果の歯磨き粉 歯の表面に付着したステイン汚れを除去し、歯を白く保ちたい方には、美白歯磨き粉がおすすめです。 ポリリン酸ナトリウムやハイドロキシアパタイトが含まれる製品は、ステインを浮かせて除去し、歯の表面を滑らかに保つ効果があります。ただし、研磨剤は含まれている製品は、使用頻度に注意しないと歯のエナメル質を傷つける恐れがあるため、定期的な使用は控え、軽い着色汚れに対して使用するようにしましょう! 当院で販売している美白効果の歯磨き粉 当院で販売されている美白歯磨き粉は研磨剤が含まれていない為、毎日ご使用していただけます。 口臭予防の歯磨き粉 口臭が気になる方には、殺菌効果を持つ成分が配合された歯磨き粉が有効です。 銅クロロフィリンナトリウムや塩化亜鉛は、口臭の原因となる細菌の繁殖を抑える作用があります。歯磨き粉以外にも口臭予防として、うがい薬があります。毎日の歯磨きにプラスしてうがい薬を使用していただくこともおすすめです。 当院で販売している口臭予防の歯磨き粉 当院では、その患者様に合った歯磨き粉をおすすめさせていただきますので、歯磨き粉やうがい薬などが気になる方がいらっしゃいましたら歯科衛生士、歯科医師にいつでもご相談ください。 安達

2025.10.01

子どもの永久歯への生え変わり時期|年齢別の目安と注意点

歯の豆知識シリーズVol.6 歯の生え変わる時期や順番には、個人差があります。6~12歳頃に乳歯から永久歯に生え変わるのが一般的で、永久歯が全て揃うのが14歳頃です。 しかし、時期を過ぎても生え変わる気配がない場合、乳歯が抜けたのに永久歯が生えて来ない場合、または乳歯が抜けていないのに永久歯が生えて来た場合などには歯科医院で診察してもらいましょう👩‍ 乳歯は20本👶永久歯は28本あるのが一般的です。親知らずを入れると永久歯は32本🦷になります。 永久歯への生え変わり時期|年齢別の目安と注意すべきサイン お子さまの歯の生え変わりは、成長の大切な節目のひとつです。一般的に6歳頃から12歳頃にかけて、20本の乳歯が28本の永久歯(親知らずを除く)へと生え変わります。この時期は個人差が大きく、同じ年齢でも生え変わりの進み具合は異なります。 永久歯が生える順番と年齢別の目安 6〜7歳:生え変わりの始まり 最初に生え変わるのは、多くの場合、下の前歯(下顎中切歯)です。乳歯がグラグラし始め、その根元から永久歯が顔を出します。同時期に、乳歯の奥に「第一大臼歯」と呼ばれる新しい永久歯が生えてきます。この歯は俗に「6歳臼歯」とも呼ばれ、乳歯が抜けて生え変わるのではなく、新たに追加される形で生えてくる点が特徴です。 第一大臼歯は、永久歯の中でも最も大きく、噛む力の中心となる重要な歯です。しかし、奥に生えるため歯ブラシが届きにくく、さらに生えてくる途中は歯茎が一部かぶっている状態が続くため、虫歯になりやすいという特徴があります。生えたての永久歯は、エナメル質が未成熟で酸に対する抵抗力が弱いため、特に念入りなケアが必要です。 7〜9歳:前歯の交代期 この時期には、上の前歯(上顎中切歯・側切歯)と下の前歯(下顎側切歯)が順次生え変わります。前歯が抜けた状態が続くため、お子さまが見た目を気にすることもありますが、これは正常な成長過程です。 永久歯の前歯は乳歯よりも大きいため、生えてきた時に「歯が大きすぎるのでは」と心配される保護者の方もいらっしゃいます。しかし、顎の成長に伴ってバランスは整っていくため、過度な心配は不要です。ただし、永久歯が生えるスペースが不足している場合は、将来的に歯並びに影響する可能性があるため、この時期の定期検診が重要です。 9〜12歳:奥歯と犬歯の交代期 9歳頃から、犬歯や小臼歯(奥から2番目と3番目の歯)が生え変わり始めます。犬歯は他の歯よりも根が長く、生え変わりに時間がかかる傾向があります。また、11〜12歳頃には、第二大臼歯(12歳臼歯)が第一大臼歯のさらに奥に生えてきます。 この時期は、ほぼすべての乳歯が永久歯に生え変わり、永久歯列がほぼ完成する重要な時期です。生え変わりの順番や時期には個人差がありますが、一般的には下の歯から先に生え変わり、その後上の歯が続くパターンが多く見られます。 注意が必要なサインとトラブル 生え変わりが遅い、または早すぎる場合 歯の生え変わりには個人差があり、前後1〜2年程度のずれは正常範囲内とされています。しかし、以下のような場合は一度歯科医院での確認をお勧めします。 受診を検討すべきケース 乳歯が抜けてから6ヶ月以上経過しても永久歯が生えてこない 7歳を過ぎても一本も生え変わりが始まらない 左右で生え変わり時期に1年以上の大きな差がある 永久歯が生えてこない原因として、永久歯が骨の中に埋まったまま出てこられない「埋伏歯」や、生まれつき永久歯が形成されていない「先天性欠如」などが考えられます。先天性欠如は、日本人の子どもの約10%に見られるとされており、決して珍しいものではありません。早期に発見することで、適切な対応策を立てることができます。 二枚歯(永久歯が内側から生える) 乳歯がまだ残っているのに、その内側や後ろから永久歯が生えてくる状態を「二枚歯」と呼びます。特に下の前歯でよく見られる現象です。これは、永久歯が正常な位置よりも内側(舌側)から生えてくることで起こります。 多くの場合、乳歯が自然に抜ければ、舌の力で永久歯が徐々に正しい位置に移動していくため、過度な心配は不要です。しかし、以下の場合は歯科医院での対応が必要になることがあります。 受診が推奨されるケース 乳歯が全くグラグラしていない状態で永久歯が生えてきた 二枚歯の状態が1ヶ月以上続いている 永久歯が完全に生えきったのに乳歯が残っている お子さまが痛みや違和感を訴えている 乳歯の抜歯が必要かどうかは、乳歯の動揺度や永久歯の生え方によって判断します。無理に自宅で抜こうとすると、乳歯の根が折れて残ってしまったり、出血が止まらなくなったりする可能性があるため、専門家に任せることをお勧めします。 永久歯が斜めや変な方向から生えてくる 永久歯が正常な位置からずれて生えてくる場合、いくつかの原因が考えられます。最も多いのは、顎の成長が不十分で、永久歯が生えるスペースが足りないケースです。また、乳歯が虫歯などで早期に失われた場合、隣の歯が傾いてスペースが狭くなり、永久歯が正しい位置に生えられないこともあります。 生え方の異常を放置すると、歯並びや噛み合わせに影響し、将来的に矯正治療が必要になる可能性が高まります。この時期は「混合歯列期」と呼ばれ、乳歯と永久歯が混在している状態です。この時期から始める小児矯正(早期矯正治療)は、顎の成長を利用して歯が生えるスペースを確保することができるため、将来的な抜歯矯正のリスクを減らせる可能性があります。 親が気を付けたいこと 子どもの虫歯は進行が早く、痛みも少ないために、半年ほどで神経の近くまで進んでしまいます。 乳歯の虫歯はその後生えてくる永久歯に影響し、ようやく生えそろった永久歯も虫歯で失ってしまうことになりかねません。生涯にわたり健康な歯を長く保つためも、子どもの歯が生え変わる時には、親がしっかり見守ってあげる事が大切です。 齊藤

2025.08.27

永久歯の生え変わり🦷👶

歯の豆知識シリーズVol.5 乳歯が虫歯になっても、将来生え変わるから大丈夫、というのは間違いです🙅‍♀️ あごの骨の中では、乳歯の直下で永久歯が出番を待っているので、乳歯がひどい虫歯になると、永久歯にも影響してしまいます。 乳歯をきれいに保ちましょう⭐️ きれいな歯並びのために、永久歯へ生え変わる時期まで、乳歯がきれいに保たれていなければなりません。 そのためにも、かかりつけの歯科の先生を見つけておきましょう👩‍⚕️ 虫歯予防のための日頃の歯のお手入れや、きれいな歯並びを保つための相談にものります。 齊藤

2025.07.07

歯医者が思う良い歯医者、信頼のできる歯医者について〜定期検診編〜

こんにちは。埼玉志木駅前歯医者・矯正歯科コスモクリニック院長の川村です。前回は歯医者が思う良い歯医者、信頼のできる歯医者について虫歯治療編のブログを投稿しましたが、今回は定期検診編です。 まずこちらのブログを見ている方は、現在定期検診でどこかの歯医者に通っている方が多いのではないでしょうか。今や歯科医療においては定期検診やメンテナンスといった言葉はよく聞くようになり、予防という概念が当たり前となっております。 では、何を予防したいのかというと、きっと虫歯や歯周病だと思います。しかし、その根底にあるのは歯の保存です。つまり歯を失う事なく、長い人生を健康な歯のまま維持する為に、虫歯予防、歯周病予防をしているのです。 まずは歯がどのように抜歯に至るかを知る必要があります。主な理由は以下の3つです。 ①歯根破折 ②歯周病 ③虫歯 ①歯根破折についてです。 歯根破折と聞いて何を思い浮かべますでしょうか?抜歯になる位なのだから、誰が見てもわかる位にぽきっと折れてしまって、歯が自然と上下前後にぐらぐらと動いているような状況をイメージするかもしれません。しかし実際は違います。 実際に抜歯に至るのはこちらの画像のようなヒビが現状です。これの何が悪いかと言うと A痛みや腫れの原因 B今後骨や他の歯に悪影響を及ぼす可能性 の2点が考えられます。 Aについてです。 まず、歯根破折が起きると歯のヒビに沿って炎症が起きて骨が溶け始めます。それに伴い歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝の深さのことで、正常は2ミリから3ミリ位で、4ミリ以上で歯周病と言われ始める指標の事)が深くなり出血や排膿が見られるようになって、時折炎症を起こすと歯茎がじんじんしたり、腫れ上がって痛みの原因となります。 Bについてです。 Aの状況が続くと、画像のように周囲の骨は溶け始めます。そうするとさらなる出血や排膿、歯茎の腫れ、痛みの原因となり、さらに放置すると歯が完全に浮いたような状況となります。これをさらに放置すると、周囲の歯を支える骨の近辺にも骨吸収が及び重度になると、他の歯の先端の神経がつながっているところに骨吸収が及び隣の歯の神経を殺してしまうこともあります。 またその歯の骨が溶けると言う事は次のステップの処置にも影響を及ぼします。 抜歯後の選択肢は入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つあります。 入れ歯に関して、骨がなくなると入れ歯の部分と歯がある部分の高低差のギャップが多くなり、食べかすが入れ歯の下に入り込み不快感の元となります。 ブリッジに関しても同様で清掃も難しくなります。 インプラントに関しては、骨の高さと厚みが最も重要で、骨がないとそもそも植えるのが難しかったり植えるために、骨を足す処置を併用しないといけなくなったりします。(骨を足す処置を併用すると費用が10万円近く変わったり、術後の痛みや腫れも増大しやすくなったり、治療期間も伸びます) 抜歯後の選択肢から逆算していくと、歯根破折を放置していく事に何のメリットもないので結果として抜歯の選択となります。ちなみに歯根破折の治療法として割れた線に沿って歯科用の接着剤で封鎖すると言うやり方も世の中に存在しますが、長期予後は確立されておらず、実験的な治療法になるのであまり推奨されません。 また歯は割れているけれど、このまま頑張って保存しましょうと提案する歯科医院も世の中にはたくさんあります。しかしこの提案は結果として周囲の骨や歯に悪影響を及ぼし取り返しのつかないことになります。正直患者さんサイドに立つと抜歯の提案をしてくる歯医者はあまり良い歯医者ではなく、どんな歯でも残しましょうと言う歯医者が良い歯医者に感じると思いますが、我々歯科医師からすると後者はあまり良い歯医者ではありません。残さない場合と残した場合のその先を詳しく説明して、それでも患者さんがどうしてもと言う思いを持っており、何が起きてもその未来を受け入れると言う覚悟のもと相談して残していく事は悪いことでは無いのかもしれませんが、その先の説明をせずにいい人ぶって、何でもかんでも歯を残そうとする先生は正直たくさんいて、結果として何か大きな問題があった場合(痛み止めも効かない位の神経の炎症や、顔が変形する位の腫れなど)その処置をするのは口腔外科領域が得意な私たちのような大きなクリニックだったりします。その辺も含めて全て自分たちで対処できる先生で、未来の説明も詳しくしている先生は親身な先生だと思います。 ②歯周病についてです。 歯周病に関しては、以前のブログでも書いたように、原因は、主に2つで汚れ(細菌的な要素)、と噛み合わせ(物理的な要素)です。 歯周病が進行すると歯が動揺し始めます。歯周ポケットはさらに深くなり、歯磨きももっとしにくくなります。歯磨きで磨ける歯周ポケットは4ミリまでですから、時間が経つとさらに歯周病が悪化していきます。そしてさらに動揺が大きくなっていくと真っ直ぐ噛んだはずなのにグラグラしている歯が干渉し始め、揺れが更に重度になり歯が抜け落ちるか、歯医者に行って抜歯をされます。 ③虫歯についてです。 虫歯で抜歯というとイメージが湧きにくいと思いますが、歯の治療のゴールは噛めるようになる事です。虫歯が軽度であればコンポジットレジンという詰め物の治療で完結しますが、虫歯の範囲が大きくなると型取りして作成するインレーという詰め物や、クラウンという全体を被せる被せ物にしないといけなくなります。 神経があるうちは良いのですが、神経がない歯であれば土台ごと折れてしまう事も増えてきます。 そして歯をまた作り直したり、クラウンの隙間から虫歯になり虫歯の位置が深くなるとどんどん被せ物が取れるリスクが増えます。 歯を作ってもすぐに折れたり取れたりする事により、噛めるようになるというゴールが叶わなくなり、結果として抜歯となります。 ちなみに、虫歯がどんどん深くなると、歯茎よりも下の位置に虫歯の位置ができ始めるために出血もしやすく、組織液のコントロールも難しくなり、接着不良を起こしやすかったり適合不良のリスク上がったり、歯を作り替えれば作り替えるほど再治療のリスクが上がるわけです。 長くなりましたが、抜歯の原因はほとんどがこの3つです。 つまり、予防歯科はこの3つを攻略することが大事で、この3つの予防に共通するキーワードは噛み合わせです。 もちろん、クリーニングをして口の中をきれいにすることも大事ですが、噛み合わせのリスク診断をした上でクリーニングし、セルフケアを確立していくのが大事です。 骨格的に標準的なのか、上顎が出ているのか (上顎前突)、下顎が出ているのか(下顎前突)、歯ぎしりがあるのか、食いしばりがあるのか、噛む筋肉量はどれくらいなのか(筋電図検査)虫歯菌や歯周病菌はどれくらいなのか? (唾液検査) など真に必要な検査は様々です。 あなたのかかりつけのクリニックは、これらの噛み合わせ検査だったり、筋電図検査だったり唾液検査をしていますでしょうか? もしただただクリーニングをしていて不安であれば、当院で精密検査をいたしますのでぜひご連絡ください。 院長川村英史    

2025.05.27

子供の歯の豆知識🦷

子どもの歯👦 歯の豆知識シリーズVol.4 乳歯は、永久歯が生え揃うまで大切な役割を担っています。「噛む」という運動によるアゴの成長や、永久歯が正しい位置に生えるための誘導などです。将来きれいで丈夫な歯を育てるためには、乳歯からしっかりケアすることが大切です🪥 ●子どもの好きな食べ物に原因が! 子どもの好きな食べ物には、虫歯の原因になるものが多くあります。 「アメ」「ガム」「キャラメル」「チョコレート」などのお菓子です🍫 こういったお菓子を食べる際はお口の中に糖分がとどまらないよう、食後の歯磨き、うがいを徹底しましょう。上手にできない歯みがきも、大人が仕上げみがきをしてあげたり、楽しい習慣づけをするなど、根気よく一人でみがけるよう見守ってあげましょう。 乳歯はいつ生える?👶 赤ちゃんの乳歯は通常、生後6~9ヶ月ぐらいで生え始め、下の前歯から順番に生えそろっていきますが、赤ちゃんによってずいぶんと差があります。 まわりの子供と生える順番が違ったり、時期が多少前後しても問題はありません🙆‍♀️ もし、1歳半を過ぎても生えてこない場合は、一度歯科の先生に診てもらうとよいでしょう👩‍⚕️ 歯の生え始めは歯ぐきがむずがゆく感じるために機嫌が不安定になり、夜泣きやぐずりの原因となることも。 歯ぐきのむずがゆさを解消するために、いろいろなものを口に入れたがるようになります。歯がためなどのおもちゃを準備しておきましょう🧸 最近は、いろいろな感触の素材を使い、飽きずに遊べるよう工夫されたものや、保冷剤入りでひんやり感が楽しめるものなど、さまざまな商品が出ています。   齊藤

2025.05.26

歯医者が思う良い歯医者、信頼のできる歯医者とは??〜虫歯編〜

今回は虫歯治療に関しての投稿です。歯医者と言えば、虫歯治療!と言う時代ではなくなりつつある昨今ですが、いまだに少なくなってきたとは言え、虫歯に悩む人は大勢います。 虫歯に関しては、虫歯があるのがわかっていて、虫歯治療をしたい人なのか、虫歯があるかどうかわからない人が虫歯チェックをしたいのかによって変わると思いますが、どちらにしてもまず虫歯とは何かしっかり説明してくれるクリニックが良いでしょう。院長自身が作成したパンフレットや、症例集がある歯医者は、治療の記録をしっかり収めている歯医者なのなで、信頼ができると思います。逆に誰が作ったかよくわからないような簡単な資料しか置いていないクリニックはあまりお勧めできません。 歯科治療は職人技ですから、患者さんサイドは細部の事などわかりませんが、いかにその細かなところを丁寧にきれいに迅速に仕上げるかと言うのが私たち歯医者の仕事なわけです。記録を管理していなかったり、症例集をまとめられないような歯医者はがさつで適当な人も多いため、治療も大雑把な人が多いです。 虫歯とは簡単に言うと、以下の表の通りとなります。   こちらは私が作成したパンフレットの中の1つの表ですが、虫歯だという根拠を患者さんサイドに見せて納得させてくれるクリニックが良いでしょう。 患者さんによく歯を削られたんです、と言う表現をされますが、これはおそらく歯医者サイドの説明不足が原因かと思われます。コスモクリニックではレントゲン写真の見え方(レントゲンでは、骨や歯や金属など硬い組織が白く写り、歯が脆く、柔らかくなった虫歯の箇所は黒く映ります)や、実際の歯の黒ずんでいる所を必ず鏡や写真で説明しています。 ここで注意事項がいくつかあります。 古い先生のクリニックに関しては、レントゲン写真を撮る回数が傾向的に少ないので10年も3ヶ月に1度通っていたのに、虫歯だらけだったなんてことがよくあるイメージです。もちろん定期的にレントゲン撮影をして、その都度詳しい診断をしてくれる先生がいるのも事実です。その見極め方は院内が綺麗な内装を維持しており、古い先生でもやる気があればリニューアルなどして最新の設備を整えているでしょう。 医院に歯科医師が1人で1人院長のクリニックで流行ってそうなクリニックに関してもレントゲンの詳しい説明をしてくれる可能性が低い可能性があります。その理由は歯科医療は労働集約型の働き方だからです。例えば歯磨き粉をネットで売れば、1万個でも1億個でも売れる可能性はありますが、歯医者に関しては1人の歯科医師が見れる患者さんの数には限界があり、上手な先生だったら1日に1億人見れるかと言うと、そんな事はあり得ません。上手な先生でも、努力をしていない先生でも1日に治療ができる患者さんの人数は1時間予約のクリニックで7人、30分予約のクリニックで14人で、同等なのです。 予約時間も非常に重要であり、コスモクリニックはほとんどの治療が1時間で行っておりますが、世の中の歯医者の予約時間は15分だったり30分だったりします。自分の歯を治療してくれる歯医者がどんな人でも15分の予約で予約びっちりのクリニックと1時間でしっかりと時間を確保してくれるクリニックであれば、後者の方に軍配が上がるでしょう。 歯科医師1人が見れる患者さんの上限は決まっているからこそ、一生懸命な治療をして地域の方に信頼があるよと認められて、また違う患者さんが増えたときに必ずその院長の予約はパンクをしているはずです。そうなるとクオリティが下がるか、自由診療しかしませんみたいなスタイルになるか、どちらかしかありません。それ故、当院では歯科医師が現在は6名も在籍しております。私が30分アポで忙しなく診療するのと、私と一緒に日々研鑽を積んでいるコスモクリニックの歯科医師がしっかりと時間をとって行ってくれた治療では断然後者の方が治療成績が良いと私は思っております。 では虫歯治療でよくある質問を解説していきましょう。 痛くないのに虫歯だと言われました。本当ですか??と言われる事がありますが、この答えは、虫歯自体は痛みを感じません。痛みを感じるのは神経です。症状がなくても虫歯が重度になっているケースはよくありますので、定期検診で1年に1度は必ずレントゲンのチェックをするのが大事です。 また歯科検診では虫歯と言われたのに、歯医者では虫歯じゃないと言われたりすることもありますが、これが虫歯の診断力によって変わります。良くない歯科医院ではエナメル室内の虫歯であろうが、虫歯なので削りましょうと言う提案をしますし、多店舗展開している医療法人であれば、エナメル質内の虫歯に関してはセラミックにしましょうと言う院内マニュアルが存在したりします。 しっかりしている医院であれば、エナメル室内の虫歯は経過観察する旨を伝えますし(歯は再石灰化をして、溶けかけていた歯質を強くする性質があるため)、エナメル室内の虫歯でも最小限の侵襲で済む場合だったり、見た目的な問題があるので、あえて治療をしましょうと提案することもあります。 そのような詳しい説明と人間力が大事なのではないかと思っております。

2025.05.22

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