2026.06.16

インプラントの費用はいくら?1本の相場と内訳を解説

インプラント治療を検討する際、多くの患者様が最初に気にされるのが費用です。「1本いくらかかるのか」「保険は使えないのか」というご相談を、当院でも日々いただきます。総額だけを見ると高額に感じられるかもしれませんが、その内訳を知ると判断はしやすくなります。

本記事では、インプラントの費用相場と治療期間について、歯科医師の視点から具体的に解説いたします。

インプラント治療の費用が
高いと感じる理由

インプラント治療の費用が高いと感じる理由

インプラント治療は、ほとんどの場合で公的医療保険が適用されません。ここが、虫歯治療や歯周病治療との大きな違いです。なぜ保険が使えないのか。その背景を知ることが、費用を理解する第一歩になります。

保険が適用されないケースがほとんど

健康保険は、病気やけがに対する必要最小限の治療を対象としています。失った歯を補う方法としては、ブリッジや入れ歯が保険診療として認められています。一方、インプラントは「自由診療(保険外診療)」に分類されるため、原則として全額が自己負担です。

例外として、事故や腫瘍などで顎の骨を広範囲に失った場合に、限られた医療機関で保険適用となることがあります。

ただし、これは一般的な歯の欠損とは状況が異なり、対象は極めて限定的です。日本口腔インプラント学会でも、適用条件は厳密に定められていると説明されています。

費用に含まれるものを理解する

インプラントの費用は、単に「人工の歯根の値段」ではありません。診断のための検査、手術、人工歯根(フィクスチャー)、その上に取り付ける土台(アバットメント)、最終的にかぶせる人工の歯(上部構造)まで、複数の工程の合計です。

使用するインプラント体のメーカーや、人工の歯にどの素材を選ぶかによっても金額は変わります。総額だけで比較せず、何が含まれているのかを確認することが、納得のいく選択につながります。

インプラント1本あたりの
費用と内訳

インプラント1本あたりの費用と内訳

結論から申し上げると、当院では検査・診断から最終的な人工の歯まで含めて、1本あたりおおよそ47万〜51万円(税込)が目安です。選ぶ素材や追加処置によって前後します。

当院の費用の内訳

当院の主な料金(税込)は次のとおりです。診断料と手術料を合わせて330,000円、人工歯根と人工の歯をつなぐ土台(アバットメント)が55,000円、最終的にかぶせる人工の歯(上部構造)は素材により88,000〜121,000円です。

これらを合計すると、標準的な1本で47万〜51万円程度が一つの目安になります。手術時の不安や負担を抑えたい方には、静脈内鎮静(セデーション。鎮静剤で緊張をやわらげる処置)を88,000円で選んでいただくこともできます。

追加でかかる可能性のある費用

顎の骨の量が不足している場合には、骨を足す処置(骨造成)が必要になることがあります。費用は骨の状態によって変わるため、レントゲンやCTで確認したうえで個別にご説明します。

抜歯と同時に埋入する方法や、治療中に仮歯を併用する方法など、選ぶ進め方によっても費用は前後します。当院では、検査の段階で必要になりそうな処置と総額の見通しを先にお伝えしています。

支払い方法と費用を左右する要素

当院では現金・クレジットカードに加え、毎月決まった額で支払えるデンタルローンに対応しています。総額が気になる方は、月々の負担に置き換えて検討する方法もあります。

費用は、埋入する本数、顎の骨の状態、全身の健康状態、希望する仕上がりによって変わります。

私個人の見解としては、安さだけで決めるより、検査でリスクを丁寧に洗い出し、総額の見通しを示してくれる医院を選ぶことが、長い目で見て損のない判断だと考えています。

インプラントの治療期間の目安

インプラントの治療期間の目安

インプラントは、埋め込んだ人工歯根が顎の骨としっかり結合するのを待つ必要があります。この待機期間があるため、治療全体には一定の時間がかかります。

標準的な期間

一般的な治療期間は、3〜6か月程度が目安です。上の顎は骨との結合に時間がかかりやすく、4〜6か月。下の顎は比較的早く、3〜4か月で進むことが多い傾向にあります。

この結合の仕組みは「オッセオインテグレーション(骨と人工歯根が結びつく現象)」と呼ばれ、ヨーロッパ最大のインプラント学会であるEAOでも中心的なテーマとして長く研究されてきました。

私自身、EAOの講演に参加する中で、この結合期間を急がないことの大切さを繰り返し学んできました。

期間が延びるケース

骨造成を行った場合は、その治癒を待つために期間が数か月延びることがあります。歯周病の治療や、噛み合わせの調整が先に必要なケースでも、トータルの期間は長くなります。

期間には個人差があり、必ずしも同じ経過をたどるとは限りません。早く終わらせたい気持ちは理解できますが、骨の結合を確実にすることが、長持ちするインプラントの土台になります。

当院での費用に対する考え方

当院での費用に対する考え方

「出会った全ての人に最善の治療を」という考えのもと、当院では予算や希望に応じて複数の選択肢をご提案しています。インプラントが唯一の正解ではなく、ブリッジや入れ歯が適している患者様もいらっしゃいます。

費用の総額、内訳、治療期間を最初にお伝えしたうえで、患者様自身が納得して選べるようにすることを心がけています。

よくある質問

Q.インプラントは医療費控除の対象になりますか?

治療目的のインプラントは、医療費控除の対象になる場合があります。1年間の医療費が一定額を超えると、確定申告で所得税の一部が戻る制度です。領収書の保管が必要になりますので、詳しくは治療前に医院や税務署にご確認いただくことをおすすめします。

Q.分割払いは可能ですか?

当院では、現金・クレジットカードのほか、デンタルローンによる分割払いに対応しています。毎月決まった額でお支払いいただける仕組みで、治療費を月々の負担に置き換えられます。ご利用には審査があり、詳しい条件は受付でご確認いただけます。

Q.費用が安いインプラントを選んでも大丈夫でしょうか?

費用が抑えられること自体は悪いことではありません。ただし、何が費用に含まれているか、保証はあるか、メンテナンス体制はどうかを確認することが大切です。

当院では破損などに備えて10年間の保証を設けています。総額だけでなく、長期的なサポートまで含めて比較していただくと安心です。

Q.治療中は歯がない期間がありますか?

多くのケースでは、治療中に仮歯を入れて見た目や噛む機能を補えます。前歯など目立つ部分は特に配慮しますので、見た目を心配される患者様はカウンセリング時にお伝えください。

費用や期間の不安は、情報を整理することで小さくできます。気になる点があれば、検査と相談を通じてご自身に合った見通しを確かめてみてください。

この記事を監修した人

埼玉志木駅前歯医者・矯正歯科 コスモクリニック院長 川村 英史

埼玉志木駅前歯医者・矯正歯科
コスモクリニック 院長

院長の川村は、一般歯科からインプラントなどの専門的な治療まで幅広く診療を行い、地域の皆様の口腔健康をサポートしています。東北大学を卒業後、日本最大のクリニックで臨床経験を積み、2016年に志木駅前歯医者コスモクリニックを開院。患者様一人ひとりに寄り添い、丁寧な説明と安心できる治療を心がけています。インプラント寺子屋2022での講演や、WHITE CROSSでの「インプラント治療におけるデジタルとアナログの融合」など講演活動にも積極的に取り組み、著書「最強の臨床術」も執筆。予防歯科を重視した質の高い歯科医療の提供を通じて、地域に貢献する医療を提供できるよう努めております。

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